【Hinemos】Oracle VirtualBoxでHinemos ver.7.1環境を構築する

自宅PCで手軽にHinemosを試してみたいため、Oracle VirtualBoxを使用してHinemos ver.7.1環境を構築してみます。

Hinemosとは

単一のコンピュータから、複数のコンピュータ等機器の監視やジョブ実行などが行えるオープンソースソフトウェアです。
ブラウザやWindowsアプリケーションから操作を行うことができます。

詳細については、Hinemosの公式サイトを参照してください。

以下のような書籍も販売されているようです。

環境構成

セキュリティ等気にせずに済むよう、Oracle VirtualBoxを使用します。

OSは以下の通りです。

• ホストOS（自宅PC）はWindows11
• Oracle VirtualBoxの仮想マシンは全てCentOS Stream 9

構築する環境の構成は以下の通りです。

事前準備

環境構築には、今回は以下を使用します。

• Hinemos ver.7.1.1
  https://github.com/hinemos/hinemos/releases/tag/v7.1.1
  • マネージャ
    hinemos-7.1-manager-7.1.1-1.el9.x86_64.rpm
  • Webクライアント
    hinemos-7.1-web-7.1.1-1.el9.x86_64.rpm
  • Linux版エージェント
    hinemos-7.1-agent-7.1.1-1.el.noarch.rpm

• Oracle VirtualBox 7.1.6
  https://www.oracle.com/jp/virtualization/technologies/vm/downloads/virtualbox-downloads.html
  使用するのは「VirtualBox-7.1.6-167084-Win.exe」
• CentOS Stream 9
  https://www.centos.org/download/
  使用するのは「CentOS-Stream-9-latest-x86_64-dvd1.iso」
• Tera Term（インストール時の操作用に使用。Oracle VirtualBoxから操作する場合は不要）
  https://teratermproject.github.io/
  使用するのは「teraterm-5.4.0.exe」

Oracle VirtualBoxと、Tera Termは事前にインストールしておきます。

Oracle VirtualBoxホストオンリーネットワーク設定

仮想マシン間のアクセスに使用する、ホストオンリーネットワークを用意します。

1. [ツール]-[ネットワーク]を選択します。

2. [ホストオンリーネットワーク]タブを選択し、[作成]ボタンをクリックします。

3. [ホストオンリーネットワーク]タブの一覧に「VirtualBox Host Only Ethernet Adapter」が作成されるので、選択し、以下のように設定し、[適用]ボタンをクリックします。

• [アダプター]タブ
  • アダプターを手動で設定 : 選択
  • IPv4アドレス : 192.168.53.1
  • IPv4ネットマスク : 255.255.255.0

仮想マシン作成

以下に従い仮想マシンを3台用意します。

1. [新規]ボタンをクリックします。

2. [仮想マシンの作成]画面で、以下のように入力し、[完了]ボタンをクリックします。

• 名前とオペレーションシステム
  • 名前 : 今回はホスト名を設定します
  • フォルダー : 容量が足りるならばデフォルト
  • ISOイメージ : ダウンロードしたCentOS-Stream-9-latest-x86_64-dvd1.isoファイル
  • 自動インストールをスキップ : 選択
• ハードウェア
  • メインメモリー : 今回は余裕をもって4096MB
• ハードディスク
  • ハードディスクファイルの場所とサイズ : サイズは今回は余裕をもって40.00GB

3. ネットワークを設定するため、[設定]ボタンをクリックします。

4. [Settings]画面から[ネットワーク]を選択します。

5. [ネットワーク]-[アダプター1]で、以下のように設定されていることを確認します。

• ネットワークアダプターを有効化 : 選択
• 割り当て : NAT

6. [ネットワーク]-[アダプター2]で、以下のように設定し、[OK]ボタンをクリックします。

• ネットワークアダプターを有効化 : 選択
• 割り当て : ホストオンリーアダプター
• 名前 : 作成したホストオンリーネットワークを設定します。（今回は「VirtualBox Host Only Ethernet Adapter」）
• ケーブル接続 : 選択

CentOS Stream 9 インストール

引き続き、以下に従い仮想マシン3台に対してCentOS Stream 9をインストールします。

1. 作成した仮想マシンを選択し、[起動]ボタンをクリックします。

2. CentOS Stream 9 のインストール画面が表示されるので、「Install CentOS Stream 9」を選択し、Enterキーをクリックします。

3. [CENTOS STREAM 9 へようこそ。]画面で、「日本語」を選択し、[続行]ボタンをクリックします。

4. [インストール概要]画面で[システム]-[インストール先]をクリックします。
[インストール先]画面が表示されるので、以下のように設定されていることを確認し、[完了]ボタンをクリックします。

5. [インストール概要]画面で[ユーザーの設定]-[rootパスワード]をクリックします。
[rootパスワード]画面が表示されるので、以下を設定し、[完了]ボタンをクリックします。

• rootパスワード、確認 : rootのパスワードを設定します。
• rootアカウントをロック : 未選択
• パスワードによるroot SSHログインを許可 : 選択

6. [インストール概要]画面で[システム]-[ネットワークとホスト名]をクリックします。
[ネットワークとホスト名]画面が表示されるので、左のリストから上部右にあるON/OFF切り替えのボタンがOFFになっているEthernetを選択し、ON/OFF切り替えのボタンをONに変更し、[設定]ボタンをクリックします。

7. [編集]画面で[IPv4設定]タブを選択して以下のように設定し、[保存]ボタンをクリックします。
[ネットワークとホスト名]画面に戻ったら、[完了]ボタンをクリックします。

• メソッド
  • アドレス : 「環境構成」に記載されたIPアドレス
  • ネットマスク : 255.255.255.0

8. [インストール概要]画面で[ソフトウェア]-[ソフトウェアの選択]をクリックします。
[ソフトウェアの選択]画面が表示されるので、[ベース環境]リストで[最小限のインストール]を選択し、[完了]ボタンをクリックします。

9. [インストール概要]画面で[インストールの開始]ボタンをクリックし、インストールを開始します。

10. [インストールの進捗状況]画面が表示され、しばらく待つと「インストールが完了しました！」と表示されるので、[システムの再起動]ボタンをクリックします。

11. システムの再起動が開始され、以下の画面のまま動作が止まることがあります。
その場合は、仮想マシンを一度停止し、再度起動すると今回は問題なく起動しました。

12. 以下の画面が表示されれば、仮想マシンへのインストールは正常に完了しています。

Hinemosマネージャのインストール

ホスト名「manager」の仮想マシンにHinemosマネージャをインストールします。
インストール方法の詳細については、Hinemos公式サイトの「Hinemos ver.7.1 基本機能 マニュアル (Linux版マネージャ) 」を参照してください。

以下、TeraTermで作業を行います。（Oracle VirtualBoxからの操作でも問題ないです。）

1. TeraTermからrootでログインします。

2. ホスト名を設定します。
以下のコマンドを実行し、ホスト名を設定し、仮想マシンを再起動します。

# nmcli general hostname manager # shutdown -r now

3. SELinuxを無効にします。
以下のコマンドを実行し、仮想マシンを再起動します。
再起動後、「getenforceコマンド」でSELinuxが無効になっていることを確認します。

# grubby –update-kernel ALL –args selinux=0 # shutdown -r now

# getenforce Disabled

4. ファイアウォールを無効にします。
Hinemosマネージャ・Webクライアント、Hinemosエージェント間では複数のポートにより相互にアクセスするため、ファイアウォールで一部のポートを許可する必要があります。
ただ、今回は外部からアクセスされない環境のため、ファイアウォールを無効にします。
以下のコマンドを実行します。

# systemctl stop firewalld # systemctl disable firewalld # systemctl mask firewalld # systemctl status firewalld ○ firewalld.service      Loaded: masked (Reason: Unit firewalld.service is masked.)      Active: inactive (dead)

5. Hinemosマネージャに必要なパッケージをインストールします。
以下のコマンドを実行します。
実行中に「これでよろしいですか? [y/N]:」と表示されたら、「y」を入力します。

# dnf install java-1.8.0-openjdk # dnf install vim-common # dnf install tar # dnf install java-1.8.0-openjdk-devel # dnf install net-snmp-utils # dnf install sysstat # dnf install tcpdump # dnf install lsof # dnf install wsmancli # dnf install net-snmp # dnf install zip

6. 仮想マシンの/tmpフォルダにHinemosマネージャのインストールファイル「hinemos-7.1-manager-7.1.1-1.el9.x86_64.rpm」を配置します。

7. 以下のコマンドを実行し、Hinemosマネージャをインストールします。

# cd /tmp # rpm -ivh hinemos-7.1-manager-7.1.1-1.el9.x86_64.rpm

8. 以下のコマンドを実行し、Hinemosマネージャを起動します。
/opt/hinemos/var/log/hinemos_manager.logファイルに
「INFO  [com.clustercontrol.HinemosManagerMain] (main) Hinemos Manager Started in」
のように出力されたら、起動処理が完了しています。

# service hinemos_manager start Redirecting to /bin/systemctl start hinemos_manager.service

HinemosWebクライアントのインストール

引き続き、ホスト名「manager」の仮想マシンにHinemosWebクライアントをインストールします。
インストール方法の詳細については、Hinemos公式サイトの「Hinemos ver.7.1 基本機能 マニュアル (Linux版マネージャ) 」を参照してください。

以下、TeraTermで作業を行います。（Oracle VirtualBoxからの操作でも問題ないです。）

1. HinemosWebクライアントに必要なパッケージをインストールします。
今回は、Hinemosマネージャの環境にすでに必要なパッケージは配置されていたので不要です。

2. 仮想マシンの/tmpフォルダにHinemosWebクライアントのインストールファイル「hinemos-7.1-web-7.1.1-1.el9.x86_64.rpm」を配置します。

3. 以下のコマンドを実行し、HinemosWebクライアントをインストールします。

# cd /tmp # rpm -ivh hinemos-7.1-web-7.1.1-1.el9.x86_64.rpm

4. 以下のコマンドを実行し、HinemosWebクライアントを起動します。

# service hinemos_web start Redirecting to /bin/systemctl start hinemos_web.service

Linux版Hinemosエージェントのインストール

ホスト名「node1」、「node2」それぞれの仮想マシンにHinemosエージェントをインストールします。
インストール方法の詳細については、Hinemos公式サイトの「Hinemos ver.7.1 基本機能 マニュアル (Linux版マネージャ) 」を参照してください。

以下、TeraTermで作業を行います。（Oracle VirtualBoxからの操作でも問題ないです。）

1. TeraTermからrootでログインします。

2. ホスト名を設定します。
以下のコマンドを実行し、ホスト名を設定し、仮想マシンを再起動します。

# nmcli general hostname [ホスト名] # shutdown -r now

3. SELinuxを無効にします。
以下のコマンドを実行し、仮想マシンを再起動します。
再起動後、「getenforceコマンド」でSELinuxが無効になっていることを確認します。

# grubby –update-kernel ALL –args selinux=0 # shutdown -r now

# getenforce Disabled

4. ファイアウォールを無効にします。
Hinemosマネージャ・Webクライアント、Hinemosエージェント間では複数のポートにより相互にアクセスするため、ファイアウォールで一部のポートを許可する必要があります。
ただ、今回は外部からアクセスされない環境のため、ファイアウォールを無効にします。
以下のコマンドを実行します。

# systemctl stop firewalld # systemctl disable firewalld # systemctl mask firewalld # systemctl status firewalld ○ firewalld.service      Loaded: masked (Reason: Unit firewalld.service is masked.)      Active: inactive (dead)

5. Linux版Hinemosエージェントに必要な以下のパッケージをインストールします。
以下のコマンドを実行します。
実行中に「これでよろしいですか? [y/N]:」と表示されたら、「y」を入力します。

# dnf install java-1.8.0-openjdk # dnf install openssh-clients # dnf install net-snmp # dnf install net-snmp-libs # dnf install net-snmp-utils # dnf install libpcap # dnf install lsof

6. 仮想マシンの/tmpフォルダにLinux版Hinemosエージェントのインストールファイル「hinemos-7.1-agent-7.1.1-1.el.noarch.rpm」を配置します。

7. 以下のコマンドを実行し、Linux版Hinemosエージェントをインストールします。

# HINEMOS_MANAGER=192.168.53.10 rpm -ivh hinemos-7.1-agent-7.1.1-1.el.noarch.rpm

8. 以下のコマンドを実行し、Linux版Hinemosエージェントを起動します。

# service hinemos_agent start Redirecting to /bin/systemctl start hinemos_agent.service

Hinemosマネージャへのログイン

1. ブラウザで「http://192.168.53.10」と指定します。
Hinemos Webクライアントの画面が表示されるので、[接続[ログイン]]ダイアログで以下のように入力し、[ログイン]ボタンをクリックします。

• ユーザID : hinemos
• パスワード : hinemos
• 接続先URL : http://localhost:8080/HinemosWeb/

ブラウザで指定したIPアドレスは、HinemosWebクライアントのIPアドレスです。
また、[接続[ログイン]]ダイアログの[接続先URL]テキストボックスの「localhost」は、HinemosマネージャのIPアドレスでもよいです。

2. 以下の[メッセージ]ダイアログが表示されたら、[OK]ボタンをクリックします。

3. HinemosWebクライアントのスタートアップ画面が表示されます。

Hinemosマネージャにノードを登録する

Hinemosマネージャ上で、仮想マシンnode1、node2を登録します。

1. HinemosWebクライアントのスタートアップ画面で[リポジトリパースペクティブ]ボタンをクリックします。

2. [リポジトリ]パースペクティブが表示されるので、[リポジトリ[ノード]]ビューの[作成]ボタンをクリックします。

3. [リポジトリ[ノードの作成・変更]]ダイアログで、以下を入力し、[Search]ボタンをクリックします。

• デバイスサーチ
  • IPアドレス : 192.168.53.21（node1のIPアドレス）

4. [属性]に検索されたnode1の情報が表示されたことを確認し、[登録]ボタンをクリックします。

5. node2に対して同様の処理を行うと、[リポジトリ[ノード]]ビューに登録されたノードが表示されます。

今回はnode1、node2にHinemosエージェントをインストールしているため、[リポジトリ[エージェント]]ビューにも表示されます。

これで、自宅PCでHinemosを試すことができます。